杉本家住宅・杉本氏庭園について

杉本家は、寛保3年(1743)「奈良屋」の屋号をもって烏丸四条下ルに呉服商を創業し、明和4年(1767)、現在地に移った。京呉服を仕入れて関東地方で販売する、いわゆる他国店持京商人として繁栄した。

現在の主屋は元治の大火後に再建され、棟札によれば明治3年(1870)4月23日に上棟。この時の当主は、第六代新左衛門為賢、棟梁は菱屋利三郎と近江屋五良右衛門であった。

間口30メートル、奥行52メートルの敷地に建つ主屋は表通りに面する店舗部と裏の居室部を取合部でつなぐ表屋造りの形式を示している。京格子に出格子、大戸、犬矢来、そして厨子二階に開けた、土塗りのむしこ窓。すべてが昔ながらの、典型的な京町家のたたずまいである。町家としては市内最大規模に属し、各一間半の床と棚を装置した座敷、独立棟として西に張り出した仏間、大きな台所などに特色著しいものがある。保存状況は良好で、下京における大店の建築遺構として、きわめて高い価値を有する。主屋の北寄り、鍵型に並ぶ大蔵・隅蔵・中蔵は建築年代は不明ながら、元治の大火には焼け残ったと伝える。祇園祭に際して、この住宅は当町伯牙山のお飾り場となる。

同住宅は、京都市有形文化財(平成2年2月20日指定)から平成22年6月29日に重要文化財に指定された。新たに、主屋に付属する資料として棟札一枚(明治3年4月)、御本宅積り書一冊(明治3年2月)と旧米蔵一棟、旧漬物小屋、高塀六棟、宅地(1049.89m2)が文化財指定に加えられた。続いて平成23年2月7日には、この建物内外の「庭」が「京町家の庭」として国の名勝指定を受けた。

当該「庭」には座敷庭はもとより、玄関庭、店庭、露地庭、坪庭および屋内の走り庭が含まれている。

平成22年6月29日 重要文化財指定
平成23年2月7日 名勝指定

杉本家について

杉本家は、初代新右衛門が寛保3年(1743)『奈良屋』の屋号で、烏丸四条上る笋町に呉服商を創業、明和4年(1767)現在地に移りました。京呉服を仕入れて関東地方で販売する「他国店持京商人」として、千葉県を商圏の中心におき、昭和初期には株式会社奈良屋として呉服商から百貨店へ業態を発展させました。

杉本氏庭園

庭は『杉本氏庭園』として平成23年(2011)2月、国の名勝に指定。

財団概要

財団法人奈良屋記念杉本家保存会は、これらの有形・無形の京町衆の文化を後世に継承保存するため平成4年2月設立(理事長 九代当主/日本芸術院会員 杉本秀太郎※平成27年没)。平成23年に公益財団法人へ移行。

名称 公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会
所在地 〒600-8442
京都市下京区綾小路通新町西入ル矢田町116番地
電話番号 075-344-5724
設立年月日 平成4年2月1日
代表者名 代表理事 杉本千代子
目的 山鉾町最大規模の町家遺構である杉本家住宅とその環境を保存・公開し、商家独特の諸行事の継承・保存・公開を行い、併せて町人文化を研究・調査し、もって地域の伝統文化の振興及び学術文化の発展に寄与すること。
事業内容
  1. 杉本家住宅及び庭園の保存・公開
  2. 杉本家伝来の調度類及び什器の保存・公開
  3. 商家独特の諸行事及びその関連諸行事の継承・保存・公開
  4. これらの資料に基づく町家遺構と町人文化の調査・研究の報告書等の作成及び刊行
情報公開

平成28年度

平成29年度

代表理事挨拶

代表理事 杉本千代子

杉本家は、寛保3年(1743)に『奈良屋』の屋号をもって烏丸四条上るに呉服商を創業し、明和4年(1767)に現在地の矢田町に移りました。商売は、呉服を仕入れ関東方面で販売する他国店持京商人として、主として千葉県に商圏をもって商いました。

杉本家住宅は、元治元年(1864)の大火後、明治3年(1870)に再建され、重要文化財・名勝庭園として評価を受けております。

当家は、初代より浄土真宗本願寺派を深く信仰し、仏間を心のより所とする暮らしのならわしには、その影響が色濃く、また、八坂神社の氏子町である矢田町での暮らしは、祇園祭を歳時記の中心においたものです。江戸期から続く京町衆の行いは、土蔵に遺されている古文書類にも記録され、今日に継承されています。

この有形・無形の文化を後世に恒久的に継承する目的で、財団法人奈良屋記念杉本家保存会は平成4年に設立され、平成23年に公益財団法人に移行しました。

財団設立以来、皆様の温かいご支援のお陰で、建物ならびに庭園と所蔵品の修理、古文書類の調査研究などの活動を進めてまいりました。今後、引き続き、京文化の一端を担うことを念頭に、さらなる伝統文化の振興、発展に寄与してまいりたく思っております。

建物は築150年を経て、老朽化が大きく進んでおり、大規模な修理工事が必要な状態です。今後とも、当財団へのご支援を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

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